退職するとき「辞表」を提出したら……

ドラマやマンガで主人公が机に「辞表」を叩き付け、颯爽と会社を去っていくシーンがあります。まさかとは思いますが、これを真に受けると大変。なぜなら「辞表」は、理事、取締役、執行役、支配人、本店・支店の事業主任者といった経営者や会社の役員、各種学校の先生、政治家、公務員が提出するものだからです。

一般的には、従業員が退職を希望する場合、「退職願」か「退職届」を提出します。

会社を円満に辞めたいなら、まず「退職願」

「退職願」と「退職届」、ちょっと見は似たようなもので、どちらを提出しても問題なさそうに思われます。しかし、当事者の退職事情、提出のタイミングなどによって、使い分けるほうが円満な退社につながります。

最初に「退職願」ですが、「交渉や話し合いで待遇や処遇が改善されれば残留もある」「あまり波風を立てずに退職を進めたい」場合などのケースに向いています。というのも、こちらはあくまで「お願い」ですから、提出後も人事の決定者が受理・承諾するまでは、撤回することができるからです。

とはいえ、一度退職の意志を伝えてしまったわけですから、必ずしも撤回が認められるわけではありません。また会社に残ったとしても、周囲との関係が気まずくなることも考えられますから、安易に提出するのはやめた方がいいでしょう。

退職届を出す前に専門エージェントに相談

「退職届」とは、退職を宣言するためのものですから、原則的に前言撤回することはできません。そのため、一般的には「強い退職の意思がある」「退職が確定した後」に提出することが多いといえます。また「退職願では引き止められてしまう可能性がある」人も退職届が向いているといえるでしょう。

転職は現状改善、さらにステップアップを促す機会でもありますから、できれば円満退職したいと考えて当然です。退職の際にわからないことなどがあれば、専門家である転職エージェントへ相談するのがよいでしょう。