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ワークライフバランスや社員の評価できてる?燃え尽き症候群への対策
密かに増えつつある「燃え尽き症候群」
このところ、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に悩む人が増えてきてるそうです。これは仕事をはじめ、子育てやスポーツ、奉仕活動などに打ち込んでいた人が、急に無気力になってしまう状態をいいます。もともとは1970年代半ば、米国の精神心理学者ハーバート・フロイデンバーガーが、医療や教育、福祉関係者といった対人サービス職において「突然、仕事への意欲や関心を喪失し、まるで燃え尽きたかのように徒労感や虚脱感にとらわれる心理状態」を、こう呼んだことに端を発します。
しかし、近年はその範囲が他の職種にも広がり、企業の中でも燃え尽き症候群に陥る人が少なからずいるようです。その契機としては、「大きなプロジェクトを終え、エネルギーを出し切った時」「目標を達成、夢を叶えた時」などが多いとされています。
また「やりがいはあるが、個々の責任が問われるベンチャー企業」「会社を立ち上げるパワーが必要なスタートアップ企業」もプレッシャーがかかりやすく、燃え尽き症候群には注意が必要です。
「燃え尽き症候群」の徴候を見逃さないためには?
社員の「燃え尽き症候群」を生み出す状況には、下記のようなものが考えられます。
- ワークライフバランスの乱れ
:自宅に仕事を持ち帰る、昼休みもノルマのことを考え続けなければならないなど、公私の切り替えがしにくい職場環境。
- 納得できない評価
:一生懸命仕事をしているのに、上司や会社からの評価が低い。
- 将来性に期待が持てない
:仕事にやりがいを感じられず、成長の機会もないので先行きが不安。
- 不公平な業務配分
:「キツい仕事ばかり回ってくる」「自分だけ残業」など、不満を感じている。
また、燃え尽き症候群に陥りやすい人の特徴としては、「完璧主義者」「責任感が強く、仕事に前向き」というタイプが多いとされています。
理由としては、辛くても我慢したり、何でも自分で解決しようとする傾向があるため、それが引き金となってしまうようです。
燃え尽き症候群ということに気づいてないことも
燃え尽き症候群になりかけていても、自分では気づいていないケースもあるようです。もし、次のような徴候があれば、自身の仕事環境を一度見直したほうがいいかもしれません。
- ・最近、ケアレスミスが増えている
- ・同僚や先輩、また上司とのコミュニケーションがうまく取れない(会話が少なくなる、付き合いが悪くなるなど)。
- ・突然、攻撃的な態度が出たり、つい皮肉なことを言う、冷たい態度をとってしまう。
- ・食欲がない。
- ・睡眠をとっているのに仕事中、急な眠気に襲われる。
燃え尽き症候群を自覚している、またはそう思われる社員がいる場合、企業としては問題解決に動くことが大切です。職場の同僚・先輩が発症者の相談に乗る、アドバイスすることをはじめ、上司や会社は適切な評価をしてきたかどうか、無理な仕事を課していなかったかをチェックすることが望ましいといえます。
また、必要に応じて、産業医やカウンセラーといった専門家によるケアを行う方法もあります。
燃え尽き症候群がひどくなると、退社・転職を考える人も多いので、有能な社員を失わないためにも早めの対応をおすすめします。